秋の空2019/09/20

後わずかな年で
お隣の100歳を迎える女性
仕事中にピンポンが入り応対へ出た
最近の彼女は私に会うと
胸元に潜り込み頬擦りをする癖があった
扉を開けると
やはり真っ先にその仕草を始めた
なんだか訳がわからなくてこわい
そう言って会いに来た
話を聞くと法事で外泊をした途端
環境が変化した事がどうも影響して
漠然とした不安に繋がっていた様だ

今一人で留守番をしている
その事も怖さに繋がっている
見守る家族は男性ばかり
日中はデイケアへ行っている
それを休んだ日の隙間に
不安のあまり押したピンポンだった

心の問題が解決しないこの国に
怒涛の様に高齢化が押し寄せる
なんでこんなに生きちゃったんだろう
そう呟く彼女に
しっかり生きなきゃと声をかけた
それぞれの生きる時間があって
自分との闘いでやるしか
そう思うばかり
答えもきっとそれぞれなのだろう
その日のことは
家族には伝えなかった
世間体と天秤にかけて
辛いことにもなりかねない

秋の空の空気の変化に
反応したこともあるか
こちらも同じ様に
そんな気配がする
やれやれこの先の我が身も
どうなることやら

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